第10章 料亭
「ごめんなさい。せっかくの料理なのに、おれが余計なことしたせいで堪能できませんでしたね」
庭園の横を歩きながら、健吾さんが言った。
「そんなことないです。私こそ、ずっとおねだりしちゃって。せっかくの旅館なのに」
彼のリモコンはすごかった。
欲しいときに与えてくれて、欲しいときに取り上げられて。
結局一度もイかせてもらえないまま、今もおまんこは疼きっぱなしだ。
「この旅行は志保さんとの新婚旅行で、温泉旅館を楽しむために来たわけじゃないですから、あなたを喜ばせてあげられればそれで十分です。…あ、でも、旅館とか料理も楽しみたいなら、遠慮なく言って下さいね」
…私がさっき思ってたことと、同じことを考えてくれてた。
嬉しくて、すがりついていた彼の腕にぎゅっと抱きつく。
早く部屋に戻って、彼のこと、いっぱい気持ちよくしてあげたい…。