第11章 夫婦
熱にうかされたようにぽーっとした頭で、健吾さんにすがりついたまま部屋に戻ってきた。
離れの扉が閉まると同時に、どちらからともなく相手の唇を奪うようにキスをして。
お互いにきつく抱きしめて、舌をむさぼり合う。
「あむ、ん、ちゅっ、んぶっ、れろ、んっ…」
二人の荒い吐息と、水気をふんだんに含んだリップ音が響く。
「ぷはっ、…しほさん、もう、我慢できません」
唇を離すと真剣な顔で私を見つめて。
私が陶然として返事ができずにいると、健吾さんは私を肩に担ぎ上げて寝室へ足早に移動する。
さっき、夕食前に大洪水にしてしまったベッドはきれいに直されていた。
部屋を出てすぐに健吾さんがホテルの人に声を掛けてたから、多分それ。