第6章 環視
「ごめんなさい。これ以上、志保さんのエロい姿を誰にも見せたくないんです」
それって…。
「おれがあの人たちに見せるように言ったのに、急に嫉妬心が抑えられなくなっちゃって。…我儘でスイマセン」
女湯の近くまで来たところで、ようやく足を止めて、私の身体を離してくれた。
「ううん、ありがとう。…私も、見られるのは健吾さんだけがいいです」
彼の身体を他の女の人が見てたとしたら、私だって嫉妬しちゃう。
胸の前で自分の左手の指輪をそっと撫でながら、私は彼を見つめた。
「だから、旅館に戻って、いっぱい愛してくれますか…?」
「ええ。余計なことは一切無しです。帰るまで、志保さんのこと、愛し尽くしますから」