第3章 ねぇ、好きなタイプは((マイキー
「エマ、さっきナンパされた人、実はマイキーさんなんだ。」
「そうなの?マイキー見る目あるねぇ」
そういえば、とナンパの事実をエマに伝えると、マイキーさんを肘でつついていた。
私は、自分のカバンを肩にかけてドラケンさんとエマに向かって意味深に笑顔を見せた。
「ランチ、よかったらドラケンさんが食べてください!助けてくれたお礼です。私はマイキーさんお借りしますね。」
そして、エマにウインクを残してマイキーさんの腕を引いてファミレスを出た。
「ありがとね。エマとドラケン二人きりにしてくれたんでしょ。」
「エマのこと、応援してるので。」
「じゃ、ナンパの続きしてもいい?」
「⋯え?」
お腹空いたなーと思いながら歩いていると、マイキーさんからお礼の言葉。
マイキーさんもエマの気持ちを知っていたんだろう。
そしていい感じだと思ったのに、飛び出したのはとんでもない言葉だった。
私、さっきナンパしない人がタイプって言ったのにな。
なんて思っていると、
「ねぇ、好きなタイプは?」
またそう聞かれた。
正直に言うと、マイキーさんみたいな人。
強くて、かっこよくて、ナンパは嫌だけど…優しい人。
だけど、マイキーさんです、なんて言える強さは私にはなく…
「あー⋯年上で、強くて、優しくナンパしてくれる人、ですかね。」
そう言って、マイキーさんの一歩前を歩いた。