第2章 ☆【GL】 大人の階段をキミと ((エマ
まだ外も明るい昼間。だけどこの部屋は遮光カーテンによって光が遮られ、電気も付けずに薄暗い。
カーテンの隙間から漏れるうっすらした光だけが私達を照らしていた。
ベッドの上で制服姿の女子高生二人。緊張した面持ちで向かい合って座っている。
こうなったのは、少し前の時間までさかのぼる。
ーーー
「どう思う?ドラケン、まだウチのこと子供扱い。」
「ドラケンくん、大人っぽいもんねー。」
ある土曜日の午前中。
朝早くから友人であるエマと共にカラオケに来ていた。
歌ったり、合間にエマからドラケンくんの愚痴やノロケを聞いたりしている。
これが私たちの日常だった。
一つ、人とは違うことといえば、
同性である私は、エマのことを好きだということ。
ドラケンくんが好きだし、同性だしで可能性は限りなく0に近い。
それでも私は、優しくて可愛いエマが好きで守ってあげたくなるんだ。
ーpruuuu
二人だけの空間に電話の音が鳴り響き、エマが電話を受けた。
「10分前だってー。出ようか?」
「そうだね!」
時間10分前の電話。密室にいられる時間に終わりを告げようとしていた。
エマは残った飲み物をぐっと飲み干して
「あー!早く大人になりたーい!」
なんて叫んでいた。