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桜月夜【鬼滅の刃】

第18章 白日の中で待つ【END1】


たとえ、ここで俺一人、散ろうとも。




そして先のことは後輩に託し、意思を繫ごう。













「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!!」





この一撃に賭ける。


集中しろ…この一撃で多くの面積を根こそぎえぐり切る。





刀を構える。


炎の呼吸  奥義





刀を握る力をこめる。






玖ノ型 









煉獄!













心を燃やせ







炎を纏え 









焼き尽くせ











とにかく刀を振るった。





再生させない。

身体をえぐるように斬り込む。





と同時に溝内を奴の拳が貫いた。





死んでしまうから鬼になれと猗窩座は言った。



俺を、選ばれし強き者だと。



一瞬、力が抜けそうになったが、母上の声を思い出した。




昔、母上にも言われた。


俺は強く生まれたと。

だから弱きものを守るのは、責任をもって果たすべき使命だと。





だから後は頼む…と。















ここで終わるわけにいかない。



日輪刀を握る手に力が戻る。






どこから湧いてくる力なのか分からないが、思い切り刀を振る。
やっと刃が頸に入った。


しかし上弦、頸がとてつもなく固い。



さらに猗窩座は復活した腕で殴りかかってきた。
それを片手で受け止める。




絶対に逃さない…!




ここで頸を切り落とすまで、この手は離さん!








夜明けが近づくと流石に焦りが見えた。力ずくで逃げようとするのを必死で止める。





「あああああああああ!!!」













痛みはもう感じない。







陽光は差し始めた。




このまま焼き尽くせる。
そう思ったが











奴は、己の腕を引き千切って逃走した。



俺にはもうそれを追う力は残っておらず、その場に膝をついた。





竈門少年が代わりに追いかけて、泣きながら叫んでいた。

彼も重症なはずなのに、俺を庇う言葉を並べてくれた。
 




一人も死ななかった、勝ったのは俺だ、と。





そうか。



全員守れたか。






ふと力が抜けて、頬が緩んだ。
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