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桜月夜【鬼滅の刃】

第15章 暴れ馬


押入れにある布団を引っ張り出して一組ひいてから思った。
…一組でよかったのだろうか。
月城も疲れているだろうし、さすがに布団は別の方が良いかと考えもしたが、無用だったようだ。俺より先に彼女が布団に入ったのだから。

「きて?」

布団から顔だけだして誘う姿がまたなんとも可愛らしい。そんなことを言われたものなら、どちらかが失神するまで抱いてしまうぞ。
俺は帯を緩めながら同じ布団に潜り込んだ。月城の着物の帯を緩めて大きくはだけさせ、念入りに触れた。
明日の今頃は一緒ではないかもしれない。
次にいつ会えるかも分からない。そう思えば傷が痛もうとも求めずにはいられなかった。
だが彼女も同じだけ俺を求めてくれたことが嬉しかった。
布団の中で、そのうち着物は脱ぎ捨てて、何度も肌を重ねた。飽きはこないので、力尽きるまでずっと…。










朝、目覚めは屋敷の者が朝餉の用意ができたと声をかけてくれた時だった。
珍しく寝過ごしてしまった。隣では月城がまだ眠っている。
昨夜は相当草臥れたろう。あれだけ何度もしてしまったからな。

「リアネ、リアネ。おはよう。」

横髪を耳にかけてやり、その指で耳たぶに触れた。重そうな瞼がゆっくり開いては閉じ、開いては閉じを繰り返している。また眠ってしまいそうだ。

「起きなさいリアネ。」

青い瞳がぼんやりと俺を見上げ、時々眠るように長く閉じられた。余計に無防備になる唇にそっと口付けすると、やっと起きたようだ。目が少し微笑んでいた。

「おはようございます、杏寿郎さん。」

「おはよう。」

もっと抱きしめようと腰に手を回すと素肌に触れた。
そうだ何も着ずに眠ってしまったのだ。柔らかく温かい肌の感触が心地よい。俺は横になったまま彼女をきつく抱き締めた。
どうやら起きたくないのは俺の方らしい。この素肌から離れることが惜しい。朝餉の席で皆を待たせるわけにはいかないのだが…どうにも我慢ならず、寝ぼける月城に断りを一応入れてから最後にもう一度抱いた。

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