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「鬼の花嫁」世界に迷い込む

第21章 新たなる一歩




そして、その時が来て…結莉乃が姿を現すと訪れていた者達が目を奪われた。

共に過ごしてきた結莉乃の白無垢姿に彼等は嬉しそうに表情を柔らかくした。胤晴も結莉乃も互いの姿を見て、祝言を挙げているのを強く実感する


厳かに執り行われる式は恙無く進み、三々九度も終わり…




外に移動し軽やかな空気に包まれた中で訪れている者達が談笑していた。その様子を眺めて結莉乃は嬉しそうに目を細める


結莉乃
「本当に私…胤晴さんの妻になったんですね」

胤晴
「嗚呼。実感湧かないか?」

結莉乃
「少しだけ…。でも、白無垢を着て皆の表情を見ていたら段々…本当なんだって、思えました」

胤晴
「そうか」

結莉乃
「雪…私の事、待っていてくれてありがとう」


外に出た事で雪を連れて来る事が出来、結莉乃は優しく頬を撫でる。雪はどこか嬉しそうに息を吐き出す



「王、結莉乃…本当におめでとうございます」

胤晴
「ありがとう」

結莉乃
「ありがとうございます」


「これからも私は貴方の傍で役目を果たしていきます」

胤晴
「嗚呼、宜しく頼む」


その後にも沢山の人が二人にお祝いを告げた。結莉乃は胸がいっぱいで笑みを浮かべながら息を吐き出す。そんな結莉乃の頬に胤晴が優しく触れると、不思議そうに結莉乃が見上げる


胤晴
「好きだ、結莉乃」

結莉乃
「私も大好きです」


二人の顔は近付き…出会って始めて唇が触れた。


そうして、誰にとっても幸せな一日は過ぎていった。人間と妖が婚姻関係を結ぶのは許された事ではない…だが、彼等はそんな事も関係無く…批判を受ける事も無く身内からも民からも祝福を沢山、受けた


結莉乃
「皆、おはようございます!」

眞秀、慎太
「おはよう」


「おはようございます」

千兼
「おーはよー」

天音
「はよ」

胤晴
「おはよう、結莉乃」



こうして「鬼の花嫁」となった結莉乃は毎日、自分の生きる世界となったこの場所で笑って大切な人達と過ごしていく─…



─ 終 ─




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