第15章 解ける心
結莉乃
「…何でも……ぁ」
和都
「何?」
結莉乃
「私とお友達になって下さい」
和都
「え?お友達…?」
予想もしていなかった言葉に和都は首を傾げてしまう。この子は何を考えているのだろうと本気で不思議に思ったのだった
結莉乃はいつまでも気まずく感じて欲しくなくて、今後も鬼城の皆と変わらないで欲しいと…綺麗事かも知れないがそう思い友達になろうと考えたが、友達になりたいのは本音だった
結莉乃
「はい、駄目ですか?」
和都
「いえっ…そんな、私がお友達になっても良いの…?」
結莉乃
「はい!凄く嬉しいです!」
和都
「それがお詫びになるなんて…おかしな子。ふふ、でも…凄く暖かい。貴女に何かあったら必ず助けるわ」
結莉乃
「ありがとうございます!」
和都は擽ったそうに…でも、嬉しそうに笑った。友達、とい存在を持ったのは初めてかもしれないと…和都は思った。
それを聞いていた全員が結莉乃の答えに彼女らしいと、こっそり笑うのだった
結局その一件のお陰か和都が罰せられる事はなく今まで通り過ごせる事になった。毎年秋の始まりに訪れるという恒例行事も無くならなかった
和都
「では、お騒がせしました」
眞秀
「また来年待ってますね」
結莉乃
「おはぎ作って待ってます!」
八一
「結莉乃ちゃんのおはぎ美味しいですよ」
和都
「ふふ…それは楽しみです」
胤晴
「では、またな」
和都
「はい…また。失礼致します」
全員で出掛けた翌日が和都が自分の屋敷に戻る日だったため全員で和都を見送っていた。
和都は言葉を受け取ってからお辞儀をし、迎えに来ていた従者と共に鬼城を去っていった。
色々あったけど何とかなって良かったと結莉乃は和都の背中を見送りながら思っていた