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目眩く一時 ~刹那の情事~

第8章 記憶を取り戻した彼が望むのは ~曼珠沙華~




ふと目が覚めると隣にあるはずの温もりがなくて飛び起きる

「…みずき、どこ?」

周りを見るがいない、布団を触るが既に冷たい

布団から離れてしばらく経つようだ


…あんなに抱いたのに、まだ動けたの?

あれ、もしかして…しつこくし過ぎて、嫌われた?

一気に血の気が引き、寝間着に袖を通し寝室を出る

すると、台所の方から気配がして

それに安心した

「…みずき、お腹空いたのかな?」

言った側から、自分のお腹がぐぅ~っとなる

「…何も食べずにしてたから、お腹減るよね」

少し、申し訳なくなりとぼとぼと歩くと

台所から良い匂いがしてきた

ひょこっと覗くと

『無一郎、起きたの?お腹空いた?』

ニコッとしながら、聞いてくる様に

「…可愛いお嫁さん」

無一郎から的外れな答えが返ってくる

少しムッとして

『…お腹空いてないみたいだから、いらないね』

色々、細かく刻んで入れてある美味しそうなおじやが入った鍋を閉じる

「やだ、お腹空いてるよ…食べるから!」

珍しく子供っぽい反応に思わず吹き出す

『…ぷっ!…ふふふ、大丈夫だよ?ちゃんとあげるから』

鍋を開けて取り分けると

『たくさん作ったから、しっかり食べてね?』

温かな器を受け取り

「ありがとう、美味しそう」

柔らかな表情の無一郎に

『…しっかり食べたら、薬、飲んでもらうからね?』

そのどす黒い笑顔に

無一郎はビクりとしたが

食べ終わった後、ビックリするぐらい苦い薬をしっかり飲まされて

散々、反省させられたとか…





君だけを想い堕落へ誘う曼珠沙華

君を諦めて枯れゆく曼珠沙華

君の意のままにと、情熱に揺れる曼珠沙華

来世を望み、咲き乱れる曼珠沙華



~僕は君だけの曼珠沙華~







ーー後書きーー

という名の懺悔です。

すみません、何か書いてて切ないやら苦しいやらで今までで断トツの難産になりました。

私は鬼滅の皆が誰も欠けずに幸せになって欲しいと小説を書き始めたのですが…

今回は甘切裏みたいになってしまい、アップするのを躊躇いました。。。

ただ切なかったですが短編なので死なせません。

次は甘々に出来たらいいなと書いてて強く思いました。

長々とすみません(T0T)

ここまで読んで下さりありがとうございました!
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