社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第30章 初デート
『(あ、この財布・・・一番しっくりくる。
サイズ感も、手袋越しだけどしっかり伝わる感触も、これ、良いんだってわかる。)』
「こちらも人気の商品です。
オススメですよ。」
『ありがとうございます。』
「そちらが気になりますか?」
『えぇ、まぁ。
でも、今日は見に来ただけなので。』
「・・・他に気になるものがございましたら、お申し付けください。」
そこから他の財布も見て見たのだが、やはり先程の一番しっくり来たものが良いと思い、再び手に取り、感触等を味わう。
『(これがいい!これが一番!
値段は・・・15万・・・払えない金額じゃないけど、でもこんな高価なもの買ったことも持ったこともない・・・
私に似合うのかな?
釣り合う?
私みたいなのが持ってても問題ないのかな?)』
しばらく悩み、椿姫の中で1つの結論にたどり着く。
『(よし。私の腹が決まったら買いに来よう!
私がこの財布を持つのに、相応しいようになってから買いに来よう!
それまで・・・)
あの、すいません。
この財布取り置きってできますか?』
「はい。可能ですが、いかがいたしましたか?」
『あ、あのー、お恥ずかしい話なんですが、この財布が良いと思ったんですが、これを持つのに自信が無くて・・・
もらいものとかなら良いのですが、自分で買うのに抵抗があるんです。
その覚悟ができるまで置いててほしいんです。』
「かしこまりました。
それではこの型番をお控えさせていただきます。
色などもこちらでよろしいですか?」
『はい。これで。』
「・・・"高いから不相応な事なんてありませんよ。
1つ良いものを自分で買うだけで、自然と自信がついて、前に進もうとする。
背中を押してくれるものです。"」
『???何か?』
「申し訳ございません。
私からのアドバイスです。
ご購入の際の参考にしてください。」
『?はぁ・・・』
その後はまた店内の商品を見回っていた。
そこでふと目に入った物を見て、ある事を思いつく。
『(あ、このキーホルダー。ペアルックみたいになってる。
可愛いのとカッコいいの。
元のデザインは一緒なんだ・・・
!!
そうだ・・・)』
椿姫はとあることを思いつき、とある行動をしたのだった。