社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第30章 初デート
ここまで椿姫は一切お金を使っていない。
会計前に必ず財布を出し、口を開けてすぐお金を出せるようにはしているのだが、椿姫のお金が顔を出す前に、カタクリが支払いを済ませてしまうためだ。
会計先で払う等言い合いになれば、店側にも迷惑になるし、何よりカタクリのメンツに関わるため、その場は一旦引く。
その後、店を出た先や車内等でカタクリに抗議するも、全て上手く躱されるか、流されてしまうため、椿姫は頭を抱えていた。
『(せめてメリエンダは!って思ったんだけどなー。
本当にお金を使わせてくれないって言うより、私がお金を出すことを渋ってるよ・・・
私もカタクリさんに何かしたいのに・・・)
あの、カタクリさん。
なんで私に一切お金を使わせてくれないんですか?
全部私の物を買ってますよ?
それなのに、私一切お金を出す暇ないんですけど・・・
そんなに全部カタクリさんが買わなくても・・・
私もちゃんとお金持って来ていますし・・・』
カ「椿姫、今日の買い物は全て俺が払うと言っただろう?
いい加減受け入れろ。
何が不服だ?」
『全て払うことがですよ!
そんなに私の物はカタクリさんが買いたいんですか?』
カ「椿姫の全ての物を、俺が全て揃えたという事が大事なんだ。
そろそろ最後にするか?
後は何が欲しい?」
『(うわー。普通に流したよ・・・
私の物を全てカタクリさんが揃えたいって、独占欲みたいなもの?
慣れなきゃいけないのかな?
慣れたくないな~。
今日は元々そんな流れだったしな~。
でも、これで終わっても良いのかな?)
特に欲しいものは無いです。
というより、さんざん買いましたよね?』
カ「そうか。なら、後1ヶ所行きたいところがあるんだが、良いか?」
『まだ何かあるんですか?
あ、それともカタクリさんの物ですか?』
カ「そうだな。
着いてからの楽しみにしてろ。」
どこに行くんだろう?と疑問に思いながらも、カタクリについていく。
車を停めて、店まで歩いて向かう。
ほどなくして目の前まで来た建物の目の前で立ち止まった。
カ「ここだ。入るぞ。」
『・・・(ひょあああ!
え?こ、こ、こ、こ、こ・・・ここって、うぇぇぇぇ。
何?何を買う気なの?
私の物じゃないよね?カタクリさんの物だよね?)』