社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第30章 初デート
『カタクリさんってエスパーなんですか?
なんで本当に私が欲しい物を当てたんです?』
カ「・・・やはりそうか。
車を降りる前のあの会話から、椿姫は自分がコレが良いと言えば、安いものでも俺が納得するだろうと直感したのでな。
だからそうならないように、椿姫の行動や仕草を注視していた。
案の定、お前は安いのを指したが、視線は別な物を欲していた。
だからアレを買ったんだ。」
『・・・そんな分かりやすかったですか?』
カ「あぁ、恐らく椿姫の癖はそれだな。
今までもそうだったんじゃないか?
欲しいものが買えないって分かってたから、口には出来なかったが、ずっと見ていたようなこと。」
『うっ・・・そ、そういえば、必要な物は言えても、欲しいもの言ったこと無かったですし、言ったところで無駄だって、分かってたので、自然と目で追ってたと思います。』
カ「あの生活じゃ、そうなるだろうな。
やはりこれからは俺が買い物に付き添う。
椿姫の本当に欲しい物を買うぞ?
素直に"コレが本当に欲しい"と嘘偽りなく言えるようになるまでな。」
『は、はぁ。』
カ「一種のリハビリだな。
うちは欲しいものしか買わねぇから、椿姫みたいなヤツは初めてだ。」
『・・・私の心読みました?』
カ「"まるでリハビリみたい。良いのかな?"
と、次の言葉はそう言うだろうと思っただけ。
それに答えただけだ。」
『・・・(未来予知?)』
椿姫が疑問に思っている中、次の店に向かい買い物を続ける。
途中、個室のあるシャーロット家御用達の店に寄り、昼食を取ってからまた買い物を再開した。
カタクリに振り回されつつ、椿姫が欲しいというものを買っていく。
小物や服などを大量に購入した。
全部椿姫の為のもので、椿姫が選んだ物の中に、カタクリが持ってて欲しい、着て欲しいという物も混じっていることなど、この時の椿姫は知らない。
メリエンダの時間になると、落ち着いた隠れ家のような雰囲気の喫茶店に入って、ケーキセットを注文する。
他愛のない話をして、ゆっくり寛いでから店を出た。