社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第28章 新生活下準備
『私の方がいろいろお世話になっているのに、たったそれだけの事でお返しになるのでしょうか?』
秘書「十分だと思います。
皆様、社長のこれまでを知っているため、今までの事を思うとお二人で幸せになってほしいと思っているのでしょう。」
『・・・そうですか・・・』
秘書「あの方々も、社長の片想いを十分すぎるほど知っているんです。
それがやっと実になった。
実のところ、この間の國生さんが泣いたというのを報告する時も、皆様お揃いでした。
あ、クラッカー様はいませんでしたが。
・・・皆様心配してくださっていたんですよ。
だから、社長とずっと一緒に笑っているだけで、あの方々には十分なんです。」
『・・・ありがたいですね。
そう思っていただけるなんて。』
秘書「まぁ、中には、"メインドーナツが飽きたら、いつでもうちに来て欲しい"という思惑も入っている方もいると思いますが。」
『そう思っていただけるのもありがたいです。
今まで必要とされた事、そこから人間らしい対応をされた事なんてありませんでしたから。』
秘書「國生さん。これからはうちでのびのびと過ごしてください。
何か困りごとがあれば、いつでも言ってください。
誠心誠意対応させていただきます。」
中山は出された紅茶に口を付ける。
『ありがとうございます。
・・・ところで、今日からカタクリさんは株主総会で忙しいと聞きましたが、中山さんもお忙しいのではないんですか?
そんな中、通帳を渡しに来るなんて・・・これは別に後ででも良いのに・・・』
椿姫の言葉に持っていたティーカップを置いて、中山は質問に答える。
カチャ...
秘書「確かに社長は本日からいろいろと忙しいですが、かと言って私たち秘書も同じくらい忙しいと言われれば微妙なところですね。」
『"私たち"?』
秘書「國生さんには、まだ紹介していませんでしたね。
今年度になってから新しく秘書を雇ったんです。
その人が1人でも動けるほどになったので、忙しい時でも交代で早番や遅番と決めています。」
『へぇー。
秘書さんがもう1人増えたってことは、それほど忙しくなったんですね。
売り上げとか上がりました?』
秘書「確かに、売り上げも上がりましたが、うちの秘書は元々2人体制ですよ。」