社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第28章 新生活下準備
しばらく待つと、中山が椿姫の部屋までやって来た。
室内に通して、紅茶を出す。
少し他愛のない話をしてから、本題に入った。
秘書「國生さん、本日来たのはこちらをお渡ししようと思って来ました。
こちらをどうぞ。」
中山が鞄から封筒を取り出して、椿姫の前に置いた。
『?これは?』
椿姫が封筒を手に取り、封口から中身を確認して取り出した。
『これって・・・通帳?
あ、私の名前が入ってる。
通帳の絵柄も可愛い。』
秘書「はい。やっと完成しましたので、急遽お持ちいたしました。
お金が無いと、心許ないでしょう?」
封筒の中に入っていたのは、椿姫用の万国銀行の通帳とキャッシュカードだった。
通帳の絵柄は万国グループらしく、お菓子が沢山描かれていて、キャッシュカードもそれに似たようなデザイン。
まるで通帳やキャッシュカードに見えないような作りに、一種の防犯対策のように思える。
『でも、私にはまだお金ないですよ?』
秘書「フフフ。中身を確認してみてください。」
『???』
椿姫は通帳の表紙を捲り、記帳欄を見た。
『・・・んんんん?
私の見間違いですか?
何でもう120万円もの大金が入っているんですか?』
秘書「そちらの内訳を説明いたしましょう。
まず、うちのメインドーナツの会社としての入社祝いで10万円です。
こちらは一般で入社すると通常5万円ですが、接客コンテスト経由での引き抜きの場合は倍の10万円になります。」
『それだけでもすごいんですが・・・
でもその10万円を引いても、残りの110万円は何ですか?』
秘書「残りの110万円は、シャーロット家の方々からになります。」
『シャーロット家から?』
秘書「はい。
まず、ペロスペロー様、ダイフク様、オーブン様、クラッカー様から各20万円ずつ。
次に、ブリュレ様、スムージー様、モンドール様から各10万円ずつ。
合計110万円になります。
名目としては、皆様メインドーナツへの入社と引越し祝いだそうです。」
『額が大きいなぁ・・・
私なんのお礼を返せば良いんだろう?』
秘書「気にしなくて良いと思いますよ。
皆様國生さんの事心配していましたので。
お返しを考えるのならば、社長とずっと一緒にいていただければと。」