• テキストサイズ

社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫

第27章 不器用な男の愛し方



年の離れた兄妹は、牙の件は知らなくても完璧な兄として、慕ってくれている。
母親はもとより子供達にあんまり興味が無いため抜きにしても、84人の兄妹達は自身の存在を肯定してくれていた。
それは友達がいなくても自身の中で十分すぎるほど、生きる価値と言うのを感じられていたのだ。


だが椿姫は自身の視線の強さに家族から嫌われ、友達もおらず、会社からも酷い扱いを受けていた。

ずっと心はひとりぼっちで、誰とも心を通わせれる相手がいなかった。

"1人は慣れている。"と言ったのも、過去の経験からだろう。

そしてやっとできた相手が、仕事上の仲間で、相談相手で、だがそれもカタクリが引き離すようにして、東京に連れてきた。

カ「(俺は椿姫を1人にさせるために連れてきたわけではないし、寂しい想いをさせるために、うちの会社に来てもらおうとしたわけではない。

いや、普通ならこれで良いのだろうが、タイミングが悪かった。
だから今、ややこしくなってしまっているのだな。

それに"俺のこれからを縛るわけにはいかない"とは・・・まるで自分の事はどうでも良いから、俺の事だけを考えて気を使っているように思える。

椿姫はいつも人の表情や目を見て、雰囲気を感じとって最適な対応をしてきたと。
自分が嫌われないために他人ばかり気にしてきたと言っていたな。

自分の事はおいといて。
それも、今回も同じように。
俺の事を第一に気にしている。

それに比べ、俺はどうだ?
自分の事ばかり気にかけて、椿姫の事を気にする余裕が無かった。

中山があそこまで言っていたのも、おそらく、俺が絶対に気付いていないと言うのと、遠回しに話してもわからないとおもったのだろう。

アイツは本当に俺の事わかりすぎていやがる。
長年の付き合いというのか?
頭が上がらねぇな。

確かに俺は椿姫の俺への想いを知っている。
それも彰子に頼んだボイスレコーダーでな。
だが、椿姫はそれを知らねぇし、俺のあの想いを告げたときも、その場の流れのように感じても無理もない。
だからそこまででの関係ではないと思っているんだろう。

ちゃんと椿姫の今の心情を聞いていない。
まずはそこからだ。)」

/ 427ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp