社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第27章 不器用な男の愛し方
椿姫はふと先程の中山とのやり取りを思い出していた。
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中山「・・・そんなに気になるのでしたら、発破かけて見たらどうですか?
いっそのこと告白は無かったことにしてと言ってみたら、本心が聞けるかもしれないですよ?』
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『カタクリさんに嘘とかつきたくないけど、1つの手としてはありなのかな?
最悪、そうしてみよう。』
椿姫は風呂から上がり、身体を拭いて用意していた着替えを着た。
『カタクリさん、来るって言ってたけど、本当に来るのかな?
何か用事でもあるのかな?
・・・もし、あの告白が嘘であっても良いように、覚悟しておかないとね。
去年から今まで、いろいろ助けてもらった。
特にこの数日・・・この恩は仕事で返さないとね。』
今度こそはと思った。
学生の頃憧れた登下校デートやきゃぴきゃぴしたWデートみたいなものも、別にしなくて良いから。
ただ心を通わせる相手が欲しかった。
ただ自分の心情を理解して、共感してくれる相手が欲しかった。
ただ安心して身体と心を預けられる相手が欲しかった。
多くは望まないけど、それさえも自分は望んではいけないのかと、人生に諦めと絶望を感じながら、自分自身に嘲笑するだけだった。
服を着ると化粧水と乳液を肌に浸透させ、髪を乾かして髪用のオイルを塗った。
脱衣室を出て、室内にあるソファーで手首にリストバンドを、足首に包帯を巻き、拘束跡である痣を隠した。
昨日椿姫の手足首にある拘束跡が目に入るたび、カタクリは眉間にシワを寄せて、自分を責める様な表情していたからだ。
これからカタクリが来るのであれば、できるだけ見えない方がいいと考えた結果だ。
もちろんリストバンドや包帯も見えないように、少し長めの長袖シャツにズボンでそれさえも見えないようにした。
裾の長いスカートも用意してくれていたが、歩いたり、何かの拍子で裾が上がってしまったら、包帯が見えてしまうと思いズボンを選択したのだ。
『まぁ、本当にカタクリさんが来るかわからないけど・・・
でも良かったー。
服どうしようって思ってたから、助かった。
カタクリさんに会うのに、連日同じ服っていうのもね・・・
でも・・・想像より多かったからちょっとびっくりだね・・・』