社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第26章 不器用な男
秘書「そこが問題なんですよ!
また貴方はそんなよそよそしいことして!
そんなんだと國生さんに本気だと思ってもらえませんよ!」
カ「・・・なぜそうなる?
俺は一緒にいる間はずっとさんざん言葉にして言い聞かせていた。
それだと足りないとでも言うのか?」
秘書「えぇ、足りませんね。
寧ろ、あの後だから言葉だけだと、不安になるんです。」
カ「・・・」
秘書「國生さん言っていました。
"病院だと抱きしめてくれた。
車の中でも手を握ってくれたりもしてくれた。
あの時の暖かい腕の中が安心できた。
でも、こっちに来て、この部屋で2人きりになったら、会話もそこそこにすぐ帰って行っちゃって。
全部片付いた後の、周りに誰もいない、2人きりなのに・・・
せめてハグでも手を繋ぐでも良いから、何かしてほしかったな。
私が何か言う前にそそくさと帰っちゃうから、付き合ったのは本当なのかな?って。"」
カ「そんなことっ!」
秘書「最後まで聞いてください。
"1人になって色々考えた。
もしかしたら、同情されているだけじゃないかって。
前までは本当に、私のこと好きだったのかもしれない。
でも、あんなことがあったから、あの男たちに色々されて、汚いって思われても仕方ない。
むしろ、助けてくれた、支えになろうとしてくれたことに対して、感謝すべきなんだろうな。
それに、抱きしめてくれたのも、手を握ってくれたのも、私が目に見えて弱っていたから、可哀そうだったからしてくれたんだって、気づいちゃったから、だから何もなかったんだって自分で納得したんです。"
って、自分自身を攻めているような物言いでしたよ。
始終"私は汚れたから"、"私は女としては幸せになれない"って、まるで呪文のように。
社長、何やっているんですか?
抱きしめるでも、手を握ってでも何でも良いから、國生さんにやってあげれば良かったんです。
そうすれば、國生さんもここまでなる事もなかったのに・・・
1番良いのはキスの1つや2つしてあげれば、泣くことも無かったでしょうに。」
カ「・・・それは無理な話だな。
言い訳になるが、あれ以上椿姫と一緒にいて、さらにホテルの部屋で2人きりだと、俺の理性が持たねぇ。
だから、押し倒してしまう前に退散したんだ。」