社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第26章 不器用な男
カ「・・・そうだ。
アイツは今まで誰とも付き合った事がないと」
ス「それなら、今1人で泣いてるかもな。」
カ「?!・・・なっ?!」
ス「それはそうであろう?
肉親と縁を切り、気の知れた仲間も友もいない、地元でもない冷たい東京に1人連れてこられた。
いくらシャーロット家の我ら兄妹が仲良くなったところで、たった数日しか関わったことがないし、大体接点を取ったのだって皆自分よりかなりの年上で、万国グループであるシャーロット家の子供達だ。
自分と立場が違う。
そう感じているだろうし、下手したら"自分の会社の上司(トップ)の兄妹"と思われてても仕方ない。」
ブ「女の子の話し相手が近くにいないんだもの。
あたしかスムージーに声かけててくれれば、椿姫の様子見つつ、話し相手になれたのにね〜。」
カタクリはブリュレとスムージーの話にこれからどうしたものかと、思考を巡らせる。
ダ「ところでカタクリ、1つ気になってた事があったんだが。」
オ「あぁ、俺もある。」
カ「なんだ?」
ダ「椿姫はカタクリの会社に引っこ抜きになったが、それ以外はどうなんだ?」
オ「俺もそれを聞きたい。
ただの上司と部下の関係だけなのか、はたまたそれ以外でも関係はあるのか?」
ダ「教えてくれ。」
カ「お前たちには言っておかないとな…
俺と椿姫は付き合うことになった。
2日前にな。
これから椿姫は俺の正式な彼女だ。」
ペ「やっとか!カタクリ、おめでとう!ペロリン♪」
オ「そりゃあ、めでてぇな!」
ダ「もぅ、何年越しだ?
あの発表を見始めてからずっと画面と睨めっこしてたしよ。」
モ「ついにカタクリの兄貴にも、春が来たんだな。」
男兄弟が祝福の言葉を並べる中、女兄妹は少し呆れた様子だ。
ス「...はぁ、やはりそうだったか・・・
兄さん達は気付いて無かったのか?」
ブ「カタクリお兄ちゃんの雰囲気は穏やかで、いつもと違った柔らかくて優しい表情だったからあたしたちは何となくで察したけどね。
やっぱり、男はそういうところ気が付かないみたいね。」
ス「それなら尚更、椿姫の精神をどうにか救ってやろうとは思わなかったのか?」
ブ「多分、自分と付き合うことになったから、精神を安定させることが出来るとふんだんでしょうね?」