社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第26章 不器用な男
昼すぎ──
中山が出ていってから3時間は経過した。
中々戻ってこない所を思うと、そんなに時間を要するものなのだと実感させられる。
自分なら小1時間で済むし、何なら1つの店舗で賄える程、アレやコレや買おうとする意識にないから、中山に任せて間違いはないと思う。
まぁ最もの理由は、自分の倍以上かかる買い物に付き合う事はしんどくなるだろうし、かと言ってその空気を読んだ椿姫が、自分の心配をしてもっと見たかったと思っても早めに切り上げてしまうだろう。
そうなれば、せっかく椿姫のためと言っても自分のためになってしまうし、ゆっくり見てもらいたいのに、それはならないことになってしまう。
そうなることは避けたい。
そして、改めて自分は女とまともに付き合ったことが無いことに実感させられてしまい、女心をもっと知っていこうと思うカタクリであった。
それから更に約1時間後。
今日の仕事をあらかた終えたカタクリは、メリエンダまでの時間を椿姫用で新たに用意させた携帯の中身をチェックしていた。
この携帯は先程ベッジが持ってきたもので、元々椿姫の持っていた携帯から新しく契約した携帯にデータ移行させて、不要な番号の削除と、これから必要になるだろう番号を登録させた。
その番号のチェックと、自身の携帯への登録も忘れない。
以前まで使っていた携帯は廃棄しても良かったが、絶縁した椿姫の家族がどこかのタイミングで連絡してくるかもしれない。
その際に繋がらない等の事があれば、メインドーナツの本社に突撃されかねない。
すこし探れば本社の場所がわかってしまうほどの場所で椿姫は仕事をする。
そう思うと椿姫を守るために、椿姫が以前使っていた携帯を自身で持っていた方が動きやすいためだ。
そんな中、カタクリのいる社長室に団体様がぞろぞろ入ってきた。
?「(コンッコンッコンッ)カタクリいるか~?入るぞ~。」
カ「・・・お前ら・・・ぞろぞろと、どうした?」
?「なぁに、みんなここに来たのは、椿姫が心配だったんだ。
随分酷な目にあっていたそうじゃないか?
大丈夫だったのか?ペロリン♪」
室内に入ってきたのは、ペロスペロー、ダイフク、オーブン、ブリュレ、モンドール、スムージーの6人だ。