社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第26章 不器用な男
カ「そ、そういうものなのか?」
秘書「はい。
女の子のほとんどがそう想うでしょう。
実際に好きな人がいなくても、好きな人アーティストとかいたら、"推し活"としてライブやイベントに行ったりするときに、めいいっぱいオシャレして会いに行くんですから。
その時にしっかりと、同じ推しを応援する人に笑顔で挨拶しつつ牽制し合うのもセットです。」
カ「なるほどな・・・」
秘書「と、言うことで、社長?」
カ「なんだ?」
秘書「今から國生さんの着替え類を買ってきますので、しばらく席を外します。
つきましては、お車をお借りしたいです!」
カ「そうか・・・それは助かるな。
女物の服など勝手がわからん。
頼んだ。金はコレから出せ。」
カタクリは中山に1枚のクレジットカードを差し出す。
秘書「ありがとうございます。
・・・ん?これ、國生さんの名前入ってますけど、どうしたんですか?」
カ「これは椿姫用で作ったモノだ。
接客コンテストのあたりに作成した。
支払いは俺の口座からだから心配ない。
普段の支払いはコレにしてもらおうと思っていた。
最低でも、こっちに越してくる時の費用。
家具や、調理器具とかもあるだろう。その足しだ。」
秘書「社長。多分ですが國生さん、このカード使わないと思いますよ?
知ってますか?
店長研修の時の食費、こちらから催促しないと、レシートとか頑なに出そうとしなかったんですよ?
特に連休があった、年末年始の分。」
カ「それでも、保険に持っていた方が良い。
何かあった時に俺が安心だ。
コレがあれば、持ち合わせが無くても何とかなる。
今どきクレジットカードが使えないところはほとんどないからな。」
秘書「だからと言って、ブラックカードはやりすぎなんじゃ・・・
國生さん、萎縮しそうですよ。」
カ「良いから、それで行ってこい。」
秘書「わかりました。
失礼いたします。」
中山は社長室から退出した後、椿姫のいるホテルに電話を入れる。
フロントから椿姫のいる客室に電話を繋げてもらい、この数日間で起こったことに励ましの言葉を言ってから、今回の電話の要件を伝える。
服と下着のサイズ、それから必要なものなどを聞いた。
そのメモを片手に本社から飛び出したのだった。