社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第25章 旅たち
『こ、こ、こ、こ、こ、こんな良すぎる席を使ったことないのに!
っていうか、こーんなちんちくりんな私がこの席座れません!
別の席に変えてもらって・・・』
カ「生憎だが、指定席は埋まっている様だぞ?
それに、もし空いていたとしても、椿姫と離れる気はないし、まず俺が予約する時に自然とこのクラスの座席になるから、有無なくここに通される。
だから、おとなしくここに座れ。」
『・・・うぅ・・・緊張するー。』
椿姫は渋々カタクリの隣の座席に座る。
チケットを取ってくれたのはカタクリだし、自分は今お金など無いから何も言えない立場なのはわかるが、だからと言って高い席に座るのには相応ではないことはわかっているため、ビクビクしながら"早く東京に着け"と念を送っていたのだった。
『カタクリさん、頑張って働いてこの分のお金返します。』
カ「・・・何のことだ?」
『えっ?!だから、この新幹線分のお金・・・』
カ「そんなもん、知らんな。」
『●/▽÷◇-×□※?!』
白を切るカタクリに、椿姫は言葉にならない抗議をする。
何を言ってもはぐらかすカタクリに、椿姫は内心"くそぅ・・・金持ちは違うのな。"と悪戯をついた。
新幹線が動き出ししばらくすると、グランクラスのサービスである、軽食とドリンクが運ばれてくる。
さすが新幹線のファーストクラスと思って、せっかくだからと堪能した椿姫。
新幹線が東京駅に着くと、タクシーに乗り移動する。
カ「家の準備ができるまでは、うちのホテルを使え。
新幹線内で手配も済んでいる。
しばらくは以前のように、あのホテルでゆっくりしてくれ。」
『はい。わかりました。』
カ「仕事はこれからいろいろ準備してもらうものもある。
主に書類だな。
それと、昨日の今日だ。ゆっくり身体を休めて欲しい。
正式入社は1か月後にしよう。」
『・・・1か月って長くないですか?』
カ「今まで碌に休んでいなかったんだ。
それくらい休んでも罰は当たらん。
家はとりあえずしっかり身体を休めてから、移動しよう。
それと必要なものも買わねぇとな?」
『・・・実家に置いていたものを持ってきたので、しばらくは大丈夫だと思いますよ?
給料とか入るまでは生活できると思います。』