社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第24章 成敗しに参ります
『・・・・・・・』
近藤「おい、どうした?
何とか言ったらどうだ?」
椿姫は2人から出る圧に何も答えられず、自信無く下を向いてしまう。
その事に気がついたカタクリは、テーブルから見えない事を利用して、膝の上にある椿姫の手に自身の片手を添えた。
暖かいカタクリの手を感じて、椿姫はハッとカタクリの顔を見たあと、手に視線を戻した。
『(カタクリさん・・・こんな時でも、しっかり守ってくれようとしている。
私は本当、カタクリさんがいないと何も出来そうにないな...
あっ。)』
椿姫はふと自分の足元を見た。今履いている靴は、カタクリの部下であるベッジの関係者が用意したものだ。
白い革のようなパンプス───
まるであの日ような、周りは"ただのパンプス"だと言うような靴だろうが、椿姫にとっては輝きのあるパンプスに思えた。
そして、あの日の接客コンテストの後のパーティーで履いた靴を思い出していた。
控えめのシルバーのパンプス。
まるでシンデレラの履くガラスの靴の様な素敵な靴。
そして、それを履かせてもらった時の、ドレスコード担当者の言葉。
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「"素敵な靴は、貴方を素敵な場所へと連れていってくれる"」
『?素敵な場所へ?』
「フランスの言い伝えです。これから國生様が、素敵な場所へ行けるような1歩を踏み出せる様におまじないを込めて。」
「私達からの餞別です。どうぞお受け取りください。」
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『(そうだ!あの時、あの人たちはあの靴と一緒に素敵な言葉をくれた。
...もし、これが、この1歩が、私を素敵な場所へ導いてくれるのなら、今、1歩を進めないと。
カタクリさんもいる。ちゃんと支えてくれる人が、私にはいるんだから、今しかないんだ。
今この1歩で、私の不運を変えるんだ!
だから、あの時の靴よ、力をかして!
私が素敵な場所へ行くための勇気を・・・)』
近藤「國生!こっちも暇じゃないんだ!
いい加減、なんとか言わんか!!」
『・・・はい。
これからの事を、私の思っていることを話します。』