社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第22章 通じ合う心
椿姫の寝ているベットに入ると、椿姫の身体全体を包むように抱きしめる。
優しく、でも強く。
しっかりと椿姫を腕の中に包み込むと、カタクリの暖かさに安心したのか、椿姫の苦し気な表情もおさまり、寝入ったときと変わらない安らかな表情になった。
『・・・スー...ス‐...』
カ「・・・(落ち着いたか・・・)」
カタクリは安心して、今は解かれている椿姫の髪を撫でる。
顔にかかっていた髪を優しくどかして、頭から毛先まで、椿姫の長い髪を何度も往復する。
カ「(寝顔を改めて見ると、可愛いな。
椿姫に出会えて良かった。
こんなに好きになるなんて、思わなかった。)」
そして一房掬い上げると、毛先にキスを落とす。
カ「(お前は、これから俺が守ってやる。)」
そうして、カタクリは椿姫を抱きしめたまま眠りにつくのだった。
翌朝—――
チュンチュン———
『・・・んんぅ?・・・・』
先に目覚めたのは椿姫であった。
『・・・あれ?この暖かさ・・・え?』
椿姫は目の前にある身体と自分の身体に巻付いている腕を見た後、そっと顔を上げ誰かを確認した。
『・・・あっ・・・(カタクリさん・・・
抱きしめてくれていたの?なんで?ソファーにいたよね?
私またなんかしたのかなぁ・・・
なんか・・・店舗査定の時を思い出すな。
あの時も朝抱きしめられてたな。
でも、やっぱりカタクリさんの腕の中は落ち着くな・・・)』
椿姫がカタクリの腕の中でもぞもぞ動いていると、カタクリが起き出した。
カ「...椿姫、起きたか?
身体は大丈夫か?」
『あ、カタクリさん。おはようございます!
身体はもう大丈夫です!』
カ「そうか。」
『ところで、私なんでまた抱きしめられているんですか?』
カ「夜に椿姫が寝た後、俺がトイレに行った後戻ったら椿姫がうなされていてな。
どう対処したら良いか分からなくて、とっさに抱きしめたんだ。
そしたら落ち着いたのだが、一旦離れてまたうなされても心配でな、抱きしめたまま寝たわけだ。」