社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第22章 通じ合う心
『・・・不思議に思っていたんですよ。
今まで祖父母の話を聞いたことなかったので。
私が変に嫌われているのも、関係ありそうですね。
...カタクリさん、今までいろいろ助けていただいて、ありがとうございます。
私にはそんな義理とかないはずなのに、お店の事も、家の事も、ここまでしてもらって・・・なんとお礼をしたらいいのか。』
椿姫はゆっくり起き上がり、カタクリに頭を下げる。
カ「椿姫、気にするな。
俺がしたくてしたんだ。」
『・・・そんなに私をメインドーナツに引き抜きたいんですね?
使えそうな人間が、他の者に渡したくなかったんですか?』
頭を上げた椿姫は、カタクリを見ながら不安げに問いかける。
カ「・・・いいや、そんなもんじゃねぇ。
これは俺の個人的なもんだ。」
『じゃあ、唯一の友人としての情ですか?
そんなにまた一緒にメリエンダをすごしたかったんですか?』
カ「友人としてでもねぇ。
・・・椿姫・・・俺は、お前が、
・・・椿姫が好きだ。」
『...えっ?
嘘・・・』
カ「嘘じゃねぇ。本心だ。」
『それは、私があまりにも可哀想だから....まるで悲劇のヒロインの様だから...情けですか?』
カ「情けというものもない。
俺はずっと前から椿姫が好きなんだ。
だから、今回椿姫がこんなことになってしまって、情けなく思った。
悔しかったんだ。
うちの力があれば、どんなヤツが相手でも椿姫を守れる。
だから、アイツらの動きが活発になるまで様子を見ようとしたんだ。
こんなことになるなら、最初から始末しとけば良かったと。」
『・・・いつからなんですか?
私たち、ちゃんと接点を持ったのなんて、去年の店舗査定からですよ?
店長研修のあたりですか?』
カ「初めて会った時だ。
5年前の、お前の発表の時からなんだ。」
『5年前の?・・・そんな前から?』
カ「と言っても、自覚したのは最近だ。
俺は今まで、恋だの愛だのをしたことが無かったからな。
だから自覚したのも遅かった。」
『自覚したのが最近?』