社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第21章 怒りの拳
地下への階段を降りていくと、そこは少しの灯りを頼りに、ベッジとクラッカー、破戒僧組の東北支部の男たちが睨み合っていた。
ク「?・・・兄貴、早かったな。」
カ「クラッカーか・・・ベッジの部下が、駅まで来てくれたからな。
ここまで直行できた。」
ク「そうかい。・・・兄貴、アレだ。」
カ「あぁ。(?!椿姫!無事だったか?
手足が拘束されてるか・・・
まだ安心は出来ねぇな…)」
「お前はっ!シャーロット家次男、将星カタクリ?!」
「何故お前までココに?!」
ク「さっきから言ってんだろう?
兄貴の遣いだとな?」
「なっ?!そ、それが、ヤツだと言うのか?!」
「もしかして、この女か?」
「くそぅ、あのアマ!騙しやがったか?」
『カ、カタクリ...さ、ん。』
カタクリが登場したことにより、周りの男たちに動揺が走るが、椿姫は何の事か、状況がハッキリ分からなかった。
「こうなったらっ!」
椿姫の近くにいた男が、うつ伏せ状になっている椿姫の背中に馬乗りになり髪を掴んで顔を上げさせて、椿姫の首にナイフを突きつけた。
『うぁっ...いっ!』
「この女がどうなっても良いのか?!」
「大人しくしねぇと、コイツの首が飛ぶぞ!」
髪を掴まれた強さに、椿姫は顔を顰め目を瞑る。
カタクリはその状況に、更に怒りを強くさせた。
男は本当にやる気だと言う意味を込め、椿姫の首に宛てていたナイフの刃を少し食い込ませた。
『うっ...ふっ。』
椿姫に宛てていたナイフの首から血が流れる。
あまりの怖さに椿姫の瞑った瞼から涙が流れた。
その瞬間、カタクリの怒りは最骨頂に達し、凄まじい圧が放たれる。
気絶するくらいの威圧に、場の空気がピリピリする。
そして、
ピンッ、ピンッ、ピンッ、
と音がした。
それは、カタクリが椿姫の周りにいる男たちに放った、ジェリービーンズだった。
まず、椿姫の首に宛てていたナイフを持つ手に当てて、ナイフを落とす。
次に馬乗りになっている男の顔面に当てた。
すると椿姫からずり落ちて、横に倒れた。
椿姫は掴まれていた髪から手が離れたため、その勢いで床に顔をつけた。