社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第21章 怒りの拳
~ カタクリ Side ~
目的地まで到着すると、新幹線を降りて改札を通る。
駅から出ると、ロータリーにベッジが用意した車が待機していた。
その車に乗り込むと、破戒僧組の東北支部へ向かう。
カ「雨がすげぇな。
こりゃぁ、見失うのも無理ねぇ。」
椿姫が連れ去られる時から強く降っていた雨も中々弱くならず、風も強く吹いていた。
30分程車を走らせると、周りが田んぼばかりで家同士の間隔が広くなってきた。
カ「(家が段々少なくなってきたな。
こんなに家の間隔が広ければ、何かあっても周りは気が付かねぇ。
ヤツらにとっては丁度良い場所だな。)」
しばらくするとある建物が見えてきて、そこに車が停る。
カ「ここか?」
「はい。今はこの建物の地下にいるようです。」
カ「地下?」
「はい。なんでも、牢屋があるとか。」
カ「(牢屋だと?
この土地なら、牢屋に入れる必要は無さそうだかな?
・・・嫌な予感がする。椿姫...)」
カタクリは車から降り、中に入っていく。
カ「クラッカーは来ているか?」
「はい。先程到着しまして、地下に向かいました。」
「それと、これも。」
カタクリはベッジの部下からあるものを渡された。
カ「これは・・・椿姫の通帳?
何故こんなものが?・・・?!」
通帳の中身は、全て引き落とされ、解約された証明が押されたものであった。
「おそらく、椿姫嬢の金を使って返済しようとしたが足らず、今後の返済能力が無いと思って、ヤツらは柚姫に自分で撒いた種を摘ませようとしたが、あの柚姫という女は自分が返す気無いからと、椿姫嬢を売ったようですね。」
「牢屋に入れさせたのも、早めに自身の状況を知らせ絶望させて、従順にさせようとしたのが狙いかと。」
カタクリは部下たちからの報告に、段々眉間に皺を寄せ、血管を浮き立たせる。
カ「お前らは、この建物内の調査を続けろ。
地下への道は?」
「はい。廊下を真っ直ぐ行った突き当たりの右手に階段があります。
そこから。」
中にいたベッジの部下たちに指示を出した後、徐々に怒りを重くさせて、椿姫のいる地下に向かっていく。