社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第21章 怒りの拳
~ 椿姫 Side ~
誰が入ってきたのか分からないまま、椿姫はしばらく様子を見ていた。
なんでもシャーロット家の使いだと言っていたが、シャーロット家についてはあまり知らないため、全く話についてこれなかった。
悩んでいると、この場にもう1人の男が現れた。
?「おいおい。
こんなところに本当に椿姫はいるって言うのかい?」
その男を見てから、椿姫は少し安心する。
『っ!(クラッカーさん!
さっきベッジって人が、”シャーロット家の使い”だって...もしかしてクラッカーさんが?!
だとすると、カタクリさんも?)』
椿姫が戸惑っていると、男たちの会話は進んでいく。
「おい!なんでお前がここにいるんだ?」
「この女に用があるのか?」
「一体、なんの繋がりがあるんだ?」
ク「あぁ、うるせぇなぁ。
兄貴の遣いを頼まれたんだよ。
それ以上でも、それ以下でもねぇ。」
「兄貴って誰を指してる?」
ク「すぐにわかるさ。」
クラッカーは男たちにニヒルな笑みを見せた。
『(”兄貴”ってクラッカーさんが言っていたって事は、やっぱりカタクリさんが?!
助けに来てくれたの?!
でも、私を助けるなんて・・・よっぽどメインドーナツに来て欲しいの?
カタクリさん忙しいのに・・・
でも、カタクリさんが来るとは限らない。)』
クラッカー、ベッジと破戒僧組の東北支部の男たちが睨み合う中、上階からバタバタと音が聞こえてきた。
『(なに?上から音が...)』
間もない内に、地下から上階に上がる階段からゆっくりと、しかし怒りの孕んだような足音が聞こえてきた。
コツコツコツコツ...
段々大きくなる音に、その場の空気は徐々に重く、苦しいものとなった。
『(今度は...何?)』
ク「?・・・兄貴、早かったな。」
?「クラッカーか・・・ベッジの部下が、駅まで来てくれたからな。
ここまで直行できた。」
ク「そうかい。・・・兄貴、アレだ。」
?「あぁ。」
その場に現れたのは、カタクリ本人であった。
『(カタクリさん...来てくれたんだ・・・
忙しいのに・・・わざわざ。
でも、なんでわかったんだろう?)』
椿姫は今の自分の置かれている状況に、わからなくなるのだった。