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社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫

第18章 過去1番の男



また別の事件が起きたのは契約書について近藤と話をしてから1週間後のことだった。

椿姫はいつも通り、朝早くからメインドーナツの駅前店で仕事をしていた。

事件というのは駅前店での朝のピークが落ち着き、彰子も出勤してきた頃の事だった。
1人の男性が店内に入ってきた。

『いらっしゃいませ!』

椿姫はまだ接客中ということもあってか、入ってきた男性に目を向けることなく、接客の挨拶をして接客中の客の接客を続ける。

『お会計が、640円です。...1,000円お預かりします。...360円のお渡しと、こちら、商品です。・・・・・ありがとうございました。』

前の客が終わり、次にさっき入ってきた男性の接客をしようと、まずは挨拶をする。

『いらっしゃいませ!....(えっ?なんで?アンタは・・・)』

通常、男性1人でメインドーナツに来るのは珍しくない。近年では甘党の男性も増えたし、会社や得意先に手土産として持っていく事や、帰り際に奥さんを始め家族のお土産として買う男性もいるためだ。

椿姫が目の前にいる男性にここまで驚くのには、別の理由があった。

?「久しぶりだなー、椿姫。」

『悠吾?アンタなんで・・・仕事は?』

悠吾「今日は休みで、愛梨がここのドーナツ食べたいって言ってたから買いに来たんだ。」

『ふーん。なんでここに?イオンにもあるよ?』

悠吾「この近くに用事があったからさ、ついでに行ってこいって。」

『そっかぁ。・・・今、3人目子育て中?』

悠吾「そうそう。よく知ってるね?」

『前に愛梨が来た時に大きいお腹抱えて、色々ブチブチ言ってたからね〜。時期考えると、もう産まれてるだろうなって思っただけ。』

悠吾「・・・椿姫は?相変わらず?」

『・・・はぁ...独り身だよ。相手の"あ"の字もありません。』

悠吾「・・・椿姫、俺は」

『言わないで。言いたい事はわかってるから。

もう、過ぎたことだし、アンタは奥さんもいるし、子供も3人いる。
捨てれないんでしょ?愛梨を。』

悠吾「・・・椿姫・・・(小声)俺はお前でも悪くなかったけどな」

『っ?!・・・(アンタも、同じこと言うんだね?)』

悠吾が小声でボソッと言った言葉を椿姫は聞き逃さなかった。

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