第17章 すれ違う気持ちと姉の存在

そして、カタクリ自身も物語の王子様と似ている様だと感じていた。


椿姫のためにドレスや装飾品を、全てあつらえたカタクリ。
（シンデレラのために、ドレスや装飾品を自身の力で出した魔法使い）

椿姫のために数年前から接客コンテストやその後のパーティー等に、力を入れて準備をしたカタクリ。
（自分の結婚相手を見つけるために、舞踏会を用意した王子様）

パーティーで椿姫を見つけられずに、知らない女から目を離せずにいたらそれが椿姫で、無意識のうちに椿姫を見つけていたカタクリ。
（遅れてやってきたシンデレラに、目を奪われた王子様）

パーティーの後に、椿姫をBARに来るように誘ったカタクリ。
（シンデレラに声をかけ、自分と踊ってくれと誘う王子様）

これから椿姫の会社から椿姫を守り、いずれは気持ちを伝えて共にいようと決意するカタクリ。
（踊っている時に改めてシンデレラと共にいたいと、決意する王子様）

部屋に行って休むという椿姫を、静かにじっと見つめ見送るカタクリ。
（急いで城から立ち去るシンデレラを、突然のことに追いかける事もできない王子様）

椿姫のためにあつらえたドレスや装飾品を受け取り、やるせなさを胸に抱くカタクリ。
（落としていったガラスの靴を手に、寂しい気持ちになる王子様）


全てまるで物語の　シンデレラ　


灰に埋もれた椿姫を見つけた。
かき分けて救い出そうとするカタクリ。


カ「前にぺロス兄が言っていた。

"まるでシンデレラ"だと・・・

本当にそうだな。あの時はそんなに似たことはなかったが、
昨日、今日のこの出来事は本当にシンデレラの様だな。」


物語と違うのは、物語は舞踏会あとのシンデレラは幸せな気持ちでいっぱいになるが、椿姫はカタクリへ想いを募らせながらも自分の気持ちに蓋をし、カタクリへの恋心とは決別した。


この後は物語の様に椿姫をカタクリは迎えに行くのか？
一緒になれるのか？

対照的なこの物語がどう転ぶのか？
ここから先は、まだ誰も知らない物語・・・