社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第17章 すれ違う気持ちと姉の存在
カ「・・・椿姫・・・」
マスター「カタクリ様、珍しいですね。
そんなに國生様を気にかけるなんて...今まで女性1人にこんなに入れ込むこともありませんでしたね?笑
それに、國生様が0時ピッタリにここを出ていくとは・・・
まるで舞踏会も、王子様とのダンスも終わって立ち去るシンデレラさながらですね?」
カ「からかうな。
1杯奢るから、兄弟達に言うんじゃねえぞ。
(ペロス兄は良いが、ダイフクやオーブンに知れたらイジられるの間違いねぇ。)」
マスター「おやおや、私はそんなこといたしませんのに。
まぁ、せっかくですから、1杯頂きますかね?」
マスターは自身も少し休憩しようと、ドリンクを作りカタクリから離れていった。
カタクリはそれを見送ると、また1人、椿姫を思っていた。
カ「・・・(椿姫、早くお前を近くに置いておきたい。
そうすれば、何かあればすぐに飛んでいき、助けてやれる、守ってやれるんだ。
・・・うちに来たいと言ったら、すぐ迎えに行こう。
・・・・・・・・それにしても、今日のドレスは本当に椿姫に良く似合っていた。
もっと好きになった、愛おしくなった、俺のそばから離れさせたくなかった。
もっと磨きをかければ、すげぇもんになるだろうな。
きっと腕の中に閉じ込めてしまいそうになるんだろうな。
いずれ、違う色のもっと豪華なドレスを着て、椿姫の人生の中で最も輝いている瞬間を他の誰かじゃねぇ、俺が用意して、俺の隣で笑って欲しい。
椿姫に最高に幸せな日々を早く作りてぇ。
絶対に離さないし、絶対に傷付けねぇし、捨てたりしねぇ。
いつかはガキも...そして、椿姫と共に死にてぇ。
そんな未来を、俺は。)」
カタクリは椿姫との幸せな未来を思い描いた。
互いが互いにどう想っているのか、互いのこれからをそれぞれで考えながら、1夜を過ごした。
互いに想いあっているのに、互いの気持ちが交差することなく、すれ違っていることに気が付かなかった。
このすれ違いが、後に椿姫を傷付け、カタクリが悩むことになるとは誰も思いもしなかった───