社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第17章 すれ違う気持ちと姉の存在
『(せめて今だけは・・・
この想いを決別するために・・・でも本当は許されるなら、好きでいたい。密かに想っていたい。
今までに無い人だった。初めてだった。あの安心感は。
私はあの夜を覚えてないけど、あの日の朝の温もりはまだ覚えている。
強く抱きしめてくれた腕の中。
全てから守ってくれそうな腕、全てを受け止めてくれる胸、
見守ってくれるような優しい目・・・
そして、打ち明けてくれた秘密も、驚きながらも私に戸惑いながら話す表情も、友人になったときの嬉しそうで安心した顔も・・・
全て愛しい。
でも・・・あの時、そう言えば、あの時。
カタクリさんは確かに言っていた。忘れていた。今思い出した。
あのスナックでカタクリさんが言った"あの言葉"。
そうだ、そうだった。もぅ、あの時点で脈なんて少しも無かったんだ。
今までの男達もそうだった。
でもカタクリさんだけは違うと思いたかった。
まるで、"アイツ"の様なカタクリさんを信じたかったのかもしれない。
でも結局"アイツ"もあの子と結婚して、子供まで出来てる。今は3人目が産まれて、子育てでもしてるのかな?
・・・カタクリさんも、私と同じ気持ちならと思っていた。
同じ気持ちなら、なんでも頑張れる。支えていきたい、隣に立てるように少しでも極めようと思ったのに・・・
カタクリさんとは違う気持ちだった。
釣り合わないんだ。私じゃ無理なんだ。
何もかもが足りなさすぎるんだ。だから、もう、辞めよう。もう、こんな気持ちはいやだ。何度思ったんだろうな。私は何度繰り返すのだろう?
もう、これで最後だ。
私はもう恋なんてしない。絶対に。)』
椿姫はカタクリへの想いに蓋をするため、思いっきり泣いていた。これからの1歩を踏み出すために。
~ カタクリ Side ~
カタクリは椿姫がBARから出ていった後も、1人で酒を煽っていた。
これからの椿姫を自身のもとに、手に入れるための決意を固まらせていた。
カ「(やっと、ここまで来た。
あの会社の状況だと、おそらく椿姫を罵るか、変に待遇を良くするだろうが、一時にすぎねぇ。
罵る場合はすぐ買い取って、上のヤツらは然るべき対応をする。
変に待遇が良くても、うちの足元には及ばないだろうな?
おそらく、すぐこっち来たいと言うだろう。)」