社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第16章 真実
カ「ヤツらは女など信用していないし、見下しているんだ。
女はどうせ、結婚したら子供を産み、会社を辞める。
それまでは絞れるだけ絞ろうとするし、辞めるタイミングをできるだけ長くさせようとして、拘束時間を増やした。
付き合っているやつがいたら別れさせようとして、
そういうやつがいないなら、出会いの機会を無くした。」
『ただでさえ交際経験なんてないのに、そんなことされたら私はこの会社で一生絞られるってことですね。』
カ「そういうことになるだろうがな、俺はそんなことさせねぇ。
椿姫の退院の時にもメールで言ったが、あれは冗談とかじゃねぇ。」
『カタクリさん?』
カ「本気で思ってるんだ。
俺なら俺ならそこから救ってやれる。
うちに来い。お前が必要なんだ。椿姫、悪いようにはしねぇ。
自由にやりたいようにさせてやれる。どうだ?」
『カタクリさんはなぜ、私が欲しいんですか?必要なんですか?
私にこだわる理由を教えてください。』
カ「椿姫は今のままで納まれる存在じゃねぇ。
もっと広い世界で生きていける実力もある。
それはうちにはとても力になる存在だ。
椿姫がいれば、メインドーナツはもっと素晴らしいものを作れるし、もっとデカくなれる。
そのために、椿姫が来るために、椿姫のイスをずっと前から用意しているんだ。
メインドーナツ本社で働かないか?」
『それは、今も空席なんですか?』
カ「あぁ、そこを作った3年前からずっと誰も座らせたことのねぇ場所だ。
椿姫以外考えられねぇ。」
『私のための...少し、考えさせて貰えませんか?
近藤さんにも話があるって言われてるんです。
それ次第ではどうなるか...それにケジメはちゃんとつけたいです。』
カ「・・・分かった。椿姫の意志を尊重しよう。
ただ、うちに来たくなったらすぐに言え。
すぐ来れるように手配してやる。」
『・・・あの、ところで、私がメインドーナツに来た場合は引越しになるんでしょうか?
そうなると、住まいもですが、お給料も...』
カ「その件もちゃんと用意してある...これだ。」
カタクリはジャケットの胸ポケットの内側から、3つ折りに、された紙を椿姫に渡した。