社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第16章 真実
『それで去年カタクリさんが私と杜丘店の聞き取りをした時に、接客コンテストの件を聞いてきたってわけですか?』
カ「そうだ。実際、行って良かったと思っている。じゃねぇと椿姫の会社の違和感に気付けなかった。」
『違和感?』
カ「あぁ、椿姫だけ過酷労働でバイトはもちろんの事、店長まで勤務や対応が甘い事がわかったからな。」
『会社はなぜ私にこだわったのでしょうか?』
カ「それに関しても、今までのも全てうちで調べた。
順に説明してやろう。」
『え?調べた?』
カ「この話は、お前がメインドーナツに入った後、社員になるあたりから始まる。」
『そんな前から?』
カ「まず、椿姫が社員になる前、お前の会社は店長の他にもう1人社員にして、互いにサポートしあいつつ店舗を運営し、新店舗ができたらそっちのサポートをしたり、人が足りなければ何日間か足りない方に行くヘルプ要員にしようと計画していた。
それは今の椿姫の状態とほぼ似ている。まあ、お前の場合は1日で何店舗もだがな。
3店舗であれば、足りない曜日か日にちでぐるぐる回る。大変な分休日も週2日にしようと決めていたんだ。」
『・・・それが本当の計画なら、私は本来その生活だったんですね。』
カ「いや、その計画の対象は男のみだった。」
『?!』
カ「もともと女の社員を取る気はなかったんだよ。女はバイトかパートで良いという考え方だった。」
『じゃあ、なぜ私に声をかけたんでしょうか?』
カ「その時いた、男のバイトで社員になりたいヤツがいなかったみたいだな。
だから、他に代わりの人物を探した。そして、椿姫に行きついたんだ。
当時から接客には相当なスキルもあったし、オープンメンバーとしてほぼフルで入り、メインで動いていたみたいだな。
そこに目を付けたんだ。」
『私は代わり・・・』
カ「予定が狂った会社のヤツらは、とりあえず計画通りに進めた。
半年泳がせ様子を見て、その後サンドイッチ店、その次はメインドーナツ駅前店のオープンのサポートを半年ずつ入らせた。経営についても学ばせながらな。
杜丘店から離れて1年たつ頃、今度は杜丘店が悲惨な状況になり、椿姫の立て直しが始まった。これはお前が1番知っているはずだ。」