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社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫

第16章 真実



男が高々と自分の立場を語り、椿姫の肩に回していた手を今度は腰に回して引き寄せようとする。

『ちょっ、ほんとに離してっ』

「あぁ、美しくて可愛いね。私達は今日、良い出会いをした。」

その言葉に全身鳥肌を立たせる椿姫。

『(ひぃぃぃぃぃぃぃ!”達”じゃねぇだろうがよ!”達”じゃ!

勝手に私も含めるな!私は最悪だー!!)』

椿姫が萎縮していると、

?「おい。俺の連れに何の様だ?」

後ろからカタクリが姿を現した。

『カ、カタクリさん...』

安心したのか椿姫は涙目でカタクリを見る。その状況に隣で椿姫の腰に手を回しているのは、無理矢理なのだと瞬時に理解し、腰に回されている男の腕を掴むと、折れるほどの強さで椿姫の腰から外し離れさせた。

椿姫を自身の後ろに隠して、さっきまで椿姫をナンパしていた男を睨むように見る。

「連れと言うのは本当に男だったのかい?

でも、あんなに美しい君を待たせるなんて...やはり私の方が君にふさわいしいよ。

地位も権力もお金だってあるんだ。
誰も逆らわないよ。」

男は椿姫に問いかけるが、カタクリの後ろで首を横に振るばかり。
カタクリは椿姫の反応を確認し、男と向き直る。

カ「地位も権力も、か...どの程度のものなんだ?」

「私の事を疑ってるのか?

私は大企業の息子だぞ。誰も逆らうこともないし、自由にできる。
このホテルだって、上級の部屋に泊まれるのだからな。」

カ「フン。お前は自分で得た地位じゃねぇんだな。」

「そういうお前は、どんな地位だと言うんだ?

彼女の様な美しい者の隣に入れるのか?」

カ「地位や権力で言ったら、お前よりはふさわしいだろうな?」

「ほう。かなりの自信があるのだな。」

マスター「お客様、おやめください。店内でこのような事は。」

「フフフ。そうだな。ならマスター、コイツを追い出して...」

カ「追い出されるのは、お前だぞ?」

「何?」

マスター「だから、おやめください。

お客様、あなたはこのホテルで敵に回してはいけない人物を今敵にしたんですよ。

そのくらい、この方はこのホテルではVIP中のVIPなのです。」

「?そんなヤツいるわけが...まさか・・・」

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