社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第16章 真実
BARに着き、カウンターに向う。
『マスター。お久しぶりです。わかりますか?』
マスター「?・・・もしかして、カタクリ様のお連れ様でしょうか?
確か...國生様でしたか?」
『わぁ!正解です!よくわかりましたね。』
マスター「声を聞いて、もしかしてと思いました。
お久しぶりですね〜。別人すぎて声を聞くまでは全くわかりませんでしたよ。」
『フフフ。皆さんやっぱりわからないみたいで、確認ばかりされました。』
マスター「失礼いたしました。
さて、本日のお飲み物は?」
椿姫はマスターにドリンクを注文し、席に座る。すぐドリンクが作られ、椿姫の手元に置かれる。カタクリが来るまで静かに待っていようと、ゆっくりドリンクを喉に流す。
1杯目が空になり、2杯目を注文しドリンクが作られるのを待っていると、不意に声をかけられた。
「そこのお嬢さん、お1人ですか?
良かったら私と、楽しい夜を過ごしませんか?」
声かけてきた男性の方を向く椿姫。
まさか自分が声をかけられると思っていなかったため、どもりながらも誘いを断る。
『い、いいえ。あの・・・私は人と待ち合わせていますので・・・』
「そう言ってるが、さっきから一向に来る気配が無いじゃないか?」
『いえ。私は、本当にっ』
マスター「お客様。確かにそちらのお客様はお連れ様をお待ちです。
それに、その方を相手にするのはオススメしませんよ。」
「ん?そうなのかい?でもどうせ女性同士だろう?大丈夫。私は女性2人でも構わないよ。」
『い、いえ、男性で』
「嘘を言うんじゃないよ。男だと言うのなら、こんなに長い時間、美しい君を1人にしないはずだ。」
そう言って男性は椿姫の肩に腕を回した。
『ひゃっ!止めてください。』
「照れているのかい?可愛いね。」
男は椿姫に顔を近づけてきたが、椿姫は必死に顔をそらす。
マスター「お客様、本当にお辞めになった方がよろしいですよ?
この方のお連れ様を見たら、必ず後悔するでしょう。」
「何を言ってるんだい?マスター?
私はこのホテルでも上級の部屋に泊まれる。地位も、権力も申し分無いほどあるんだぞ?
なんて言ったって大企業の息子であるんだからな。
そんな私が後悔することなどないさ。」