社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第14章 開催!接客コンテスト
堀内「絶対!國生さんの方が凄いです!
僕なんか足元にも及びませんよ。」
『フフフ、ありがとう。』
そして、5月中旬。
メインドーナツ、接客コンテストの決勝が始まった。
まずはどういう流れかを直営店の店長が見本として、ジェスチャーしながら会場に来た人たちに、説明して行った。
決勝は審査員だけでなく、各店舗のオーナーや関係者そして、メインドーナツ本社社長のシャーロット カタクリもその場にいた。
コンテストはまず、一般の各地方勝ち上がってきた人達から行っていく。
というのも、先に特別審査枠から始めてしまうと、洗練された技術を見たあとの一般の各地方勝ち上がってきた人達が萎縮してしまい、その人の最高のパフォーマンスが出来なくなってしまうためである。
一般の各地方勝ち上がってきた人達は最初に全員で一斉にくじ引きを行い、順番を決める。
メインドーナツ杜丘店の堀内は16番目だった。
『(まぁ、良い順番かな?
緊張しすぎず、かといって最後じゃない。ベストポジションね。)』
抽選後10分間の準備時間をして、前半10名間に20分の休憩を挟み後輩10名の接客を見る。
出場者は自分の出番以外は他の出場者の接客を見ても良いし、ロビーで練習など自由にしていい。
椿姫は他の出場者の接客を見ようと、案内された座席に座っていた。
準備時間である10分間は特にやる事がないため、カタクリに挨拶をしようかと彼の方を見ると、関係者や他会社の役員たちと話をしていたため、カタクリのもとへ行くことは無理だなと判断した。
一瞬だけ目が合い、軽く会釈だけはしておいた。
『(カタクリさん、やっぱりこんな時でもいろんな会社の人とやり取りするんだな。
私とは次元の違う人だ。)』
少し寂しそうにする椿姫。そんな椿姫を見ていたカタクリは内心安心していた。
カ「(椿姫・・・良かった。体形戻ったな。
顔色も良くなった。彰子が言うには、以前より勤務時間が減ったと言っていたな。
ゆっくりする時間も、食べる時間もあるということだな。
だが・・・椿姫と話がしてぇな。せめて近くにいたい。
なぜ近くに行けないんだ。
コイツらの話なんか、たいした中身もねぇのにな。)」
カタクリは椿姫の近くに行けないことに苛立つのだった。