社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第13章 君を救いたい
彰子との会話も終わり、カタクリは椿姫をしばらく見つめたあと、自身の用意されていたホテルに行き1晩過ごし、翌朝早朝に東京へ戻ったのだった。
その日の仕事を終え、自身のマンションに戻ったカタクリは、シャワーを浴び酒を煽りながら、椿姫がいつ目覚めたという連絡が来ても良いよう携帯を必要以上に触りながら、今後の事を考える。
そんな時インターホンが鳴り、リビングに付いているモニターにとある人物が映った。
カ「・・・なんだ?ペロス兄。」
ペ「《カタクリ。クックックックッ、今日はいるんだな?
近くを寄ったんだ。少し話をしないか?ペロリン♪》」
ペロスペローの言葉に一瞬入れるか考えるが、実の兄がせっかく来てくれたんだと思うと、部屋に入れないわけは無かった。
ドアのロックを解除し、ペロスペローを部屋へ促す。
しばらくするとペロスペローが部屋の前まで来たため、ドアを開ける。
室内にペロスペローを通して、車で来ただろうペロスペローに紅茶の準備をする。
出来上がった紅茶をペロスペローと自分の前に置くと、互いに1口飲み、カップをテーブルに戻した。
ペ「椿姫が4日前に倒れたと聞いた。カタクリ、昨日椿姫のいる病院へ行ったんだろう?どうだった?ペロリン♪」
カ「あぁ、仕事が終わってから夜な。
酷かったぞ。店舗査定で会った時より痩せていた。
勤務状態も、東京から戻ってすぐ、朝は誰より早く出勤して、時間ギリギリまで店舗にいて、すぐ別の店舗へ移動。そして夜も誰よりも遅い。
移動の間に食うもん買う時間も無ければ、もちろん食うタイミングもねぇ。
そんな生活をしていたら、ぶっ倒れるのも当たり前だ。」
ペ「そうか・・・
それで?カタクリはどう思ったんだ?
まさか、ただ様子を見に行っただけじゃねぇよな?ペロリン♪」
カ「・・・・あぁ。今回のことで、椿姫があの会社にいたら死ぬと思った。
アイツの仕事での良さ、素晴らしさ、心意気。
全てを絞るだけ絞ろうとするだろう。
このまま行ったら、アイツの人生までも全て奪われると。
そのためだけに椿姫を利用されたくねぇ。
椿姫の人生、そんなヤツらに縛らせたくはない。
仕事でも羽ばたける場所が必要だ。」
ペ「それは、社長としての見解か?ペロリン♪」