社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第13章 君を救いたい
カ「あぁ、それでも接客コンテストで優秀な成績を収めた女がいる。
そいつも若かったが、授賞式のときに会場にいたうちの社員や、お前たちのような他の会社の人間から賞賛を受けていた。
そのことがあった後の会議では、優秀な成績を収めた女は、うちでマネージャーの地位に就くことになった。
それも上層部全員の意見も一致した形でな。」
彰子「その前例があったから、椿姫ちゃんも同じように接客コンテストをきっかけに引き抜こうとしているのね。
あの子、優秀な成績収められると思うの?」
カ「大丈夫だ。アイツだけとびぬけている。
出るだけで椿姫が一番だとわかるだろう。」
彰子「よほど椿姫ちゃんを買っているのね。
そんなに言うなら、どんな席を用意しているのよ?」
カ「あぁ、うちでも特に特別な席をもう準備している。
コイツがのびのびできるようなイスを・・・な。」
彰子「・・・念のため聞くけど、なぜ今引き抜けないの?
引き抜いて直営店からの出場でも良いんじゃない?」
カ「それも考えたが、それだと納得しないヤツらが多いんだ。
それに、そうなるとバイトになっちまう。
椿姫はそれも気にするだろう?
接客コンテストの時、直営店はバイトしか出場出来ない。
社員や役職付きのヤツは特別審査枠にも出れねぇ。
"見本"という形で、どういった流れか説明するときにジェスチャーするだけだ。
それじゃぁ、意味がない。だからこうするしかないんだ。」
彰子「それは他社から引き抜いた後でも同じ?」
カ「あぁ。直営店の社員以上は、定期的にトレーニングを受ける決まりになっているからな。
優秀な成績なのは当たり前だ。
それに引き抜いたヤツもすぐトレーニングする。そうでなくても、椿姫の場合は店長研修も受けている。
だから他社じゃないと対象にならない。」
彰子「他社なら店長研修受けても、特別審査枠に影響しない・・・
そういうことね。それを聞いて安心したわ。
ちゃんと、うちの会社からも救ってくれて、
メインドーナツへ行った先でも考えてくれるのね。」
カ「それまでの辛抱だ。
接客コンテストの決勝が5月。そこから会議にかけて、6月頭には全て終わるだろう。」
彰子「うちの会社への対応も?」
カ「あぁ、もちろんだ。」