社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第13章 君を救いたい
カ「ん?彰子か?」
メールを開いてカタクリは驚く。
【 From 彰子 】
カタクリさん!
椿姫ちゃんの入院だけどね、
入院自体は認められたんだけど、
入院にあたっての労災とかは認めないって会議で決まったみたい。
カタクリさん、あたしなんかヤな予感がするわ。
このままだと椿姫ちゃんほんとに幸せになれないと思う。
このメールを見て、カタクリは電話を始める。
カ「・・・俺だ、またこの間調査してもらった会社の調査をしてもらいたい。
この前の調査以降の分のだ。...ピッ
・・・椿姫をうちに迎え入れるには、今は最適な状態じゃねぇ。
あのコンテストが鍵だ。
あの問題をクリアして、アイツを一番良いポジションに付かせられるのは、これしかねぇんだ。」
翌日、カタクリはその日の仕事を早々に終わらせ、椿姫のいる病院へ向かった。
面会時間外だったが、事前に予約を入れていたため特別許可をもらい、椿姫の病室に入った。
椿姫のまるで死んだような顔と身体の状態を見て、
点滴の打たれた腕を見て、
カタクリは自身が不甲斐ないと感じていた。
カ「椿姫・・・こんなにやつれて・・・
すまねぇ。」
カタクリは椿姫の頬に手を添える。その表情は愛しい者を見る目だった。
そこへ──
ガラッ
彰子もやってきたのだった───
彰子「カタクリさん?
来てくれたの?こんな時間に?」
カ「あぁ、惚れた女を気にしない訳がねぇだろ。」
彰子「自覚したのは3日前だってのにね・・・」
カ「・・・」
彰子「今は接客コンテストの準備で忙しいんでしょ?
毎年この時期になると小林さんも時間なくて、あんまり店に来なくなるから、本社全体が忙しいのは想像がつくわ。」
カ「・・・なんとか仕事に都合をつけて来れたのが今日だ。」
彰子「自覚したらこんなに必死になるのね~。」
カ「・・・たったひと月でこんなになるんだな。」
彰子「せっかくカタクリさんが東京で椿姫ちゃんに食べさせるように、休ませるようにしてくれて、体形も戻してくれたのに、このざまよ。」