社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第12章 気付く恋心
『なんか、お客様の声で接客対応について素晴らしいってコメントがたくさんあって、中でも私の対応が素晴らしいって声が多かったみたいですね。
そんな声が多いから、メインドーナツの本社から創業祭のときに一緒に表彰式もやるからぜひ来てくださいって言われていたらしいんですけど。
その時、私が表彰されるはずだったのに、近藤さんが代わりに行ったらしいですよ。
あろうことか
"本人はこんな場に絶対に来たくないって駄々をこねたため、僕が代わりに来ました"
って言ったみたいです。
私聞いてないけど。さりげなく私の評価を勝手にさげるな!って思いましたよ。
小林さんもその時の来る日は私とすれ違いになるようにシフト組まれていたし、会う機会も連絡する時間も無いように調整されていましたね。』
カ「あの表彰式にはそんな裏が隠されていたのか。」
『はい。もう、3年前になりますけどね。
私は全てのされたことを覚えていますよ。』
カ「わかった。うちの情報も確認がてら、報告しよう。」
『それは助かります。』
カ「そうだ。椿姫に教えている番号だが。」
『店舗査定のときに教えてもらった番号ですか?』
カ「あぁ、あれは会社用の携帯の番号だ。
私物のは他にある。そっちを教える。」
『えっ!携帯2個持ちだったんですか?』
カ「私物は家族間でしか使わない。
しかし、こっちにはLINEが入っている。
LINEのやり取りの方が、何かと便利だろう?」
『あっ、確かにそうですね。』
カ「それに、仕事用とお前の連絡を一緒にしてしまうと、もし助けが欲しい時、他の連絡に埋もれて気が付かない可能性もある。」
『別に急ぎのはないと思いますが・・・』
カ「ほら、携帯を出せ、LINEで友達登録するぞ。」
こうして2人はLINE交換を行った。
カ「お前は私物携帯しかないのか?」
『1台だけですよ。これ使って、お店のトラブルの連絡とか来たりするし、電話もかけまくってて、それだけで料金がパないです。』
カ「お前には別で携帯を貸与しても良い気がするがな。」
『中小企業で、私への対応が蔑ろにされるんですよ。
絶対ないですね。』
こうして、東京最後の夜を過ごした椿姫。
自店舗に戻ってから地獄の日々が始まろうとは、この時椿姫は想像していなかったのだ。