社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第11章 友人として
2人がそんな会話をしている頃、椿姫とカタクリはカタクリの車に乗り、車を走らせていた。
『カタクリさんの家ってどこにあるんですか?』
カ「港区のマンションだ。」
『港区って、セレブ街でしたよね。
やっぱりあのあたりなんだー。』
カ「椿姫は実家住まいか?どのあたりなんだ?」
『実家です。
お店のある市の隣の町です。
各店舗からだと車で大体30分~40分くらいかかりますね。』
カ「片道か?」
『はい。片道です。』
カ「近くに住もうとは思わなかったのか?」
『何度も思いましたよ。
でも、今の収入じゃとても無理で。
車の維持費と家賃とか光熱費とか合わせて払えない。かと言って車を手放すことも考えましたが、丁度いい物件もないし、そもそも今の勤務上車移動じゃないと店舗移動しての勤務時間、間に合いませんもん。
だから、実家住みじゃないと。笑』
カ「...そんなに給料もらえてないのか?
毎日3店舗ぐるぐる回っているのだろう?」
『ほぼ毎日3店舗回ってる、SVって役職とか関係ないんですよね。
所詮中小企業なんで。
何より優先されるのは、店長や子供のいる家族を抱える人。
そして、店を支えてくれるバイトなんです。
結婚もしてない、実家が近くにある社員である私は二の次三の次なんです。』
カ「・・・お前が1番店を支えているのにな。」
『ハハッ、そう言って貰えると助かりますね。
本社の人間は、誰も私をちゃんと評価してくれないので。』
カ「・・・」
『一応、前にちゃんと言ったんですけどね。
”今の給料じゃ実家通勤は体力的に厳しいから、近くに社宅を用意してくれ、それが出来ないなら少し給料を上げてくれ。自分で近くを契約する”って。
結果、話を聞いてくれませんでしたね。
”なんだコイツ”みたいな冷めた感じの、まるで宇宙人を相手にしてる様な表情をされたんですよ。笑
いやいや、こっちが宇宙人を相手にしてるって思いましたけどね。』
カ「・・・・・なぜ、その事を俺に?」
『ん?知りたそうにしてたので。聞かれる前に言いました。
間違ってましたか?』
カ「いいや。合っている。」
『ふふふ。伊達に何年も目だけではなく、雰囲気も察して生きてきたわけじゃないですよ。』
カ「...そうか。」
話をしていると、車が停車する。