社畜女のシンデレラストーリー ≪ONE PIECE≫
第10章 素敵な素顔
カ「・・・お前は怖くないのか?」
『何がですか?』
カ「普通の人間と違うだろう?
この牙は。」
『普通の人間ってなんですか?
何を基準に”普通”なんて言ってるんですか?
そんなものは自分が勝手に決めた線引きです。
別に牙があるからって普通じゃないって言えませんよね。
それだったら、世界には指が6本×2の計12本で産まれてくる子もいれば、腕や足が無い子もいるし、オッドアイの子もいる・・・その子たちと変わらないでしょう?
身近にそういう人間がいないってだけで、その人の1つの個性を潰すことになりますよ。
私がその否定する人をみたら、てめぇの個性も1つ潰したろか?って言ってしまいそうですね。』
カ「・・・・」
『あ、そうそう、この頬の縫い跡はどうしたんですか?
こめかみあたりまでありますが...』
カ「俺がドーナツ好きだと言うのは言ったな?
ドーナツを好きになったのは2歳の頃。
その頃からドーナツが好きすぎて口いっぱいにドーナツを頬張るというのを繰り返していた。
この頬は3歳の頃にドーナツを頬張りすぎて裂けた口だ。」
『......か、』
カ「か?」
『か、か、可愛い。
えっ、何?好物を大口で開けるほどそんなに好きだったの?!
ドーナツが好きだって言うのにも可愛いのに、頬張りすぎて口裂けた?!
どんだけ可愛いかよ!
えっ!なにこのギャップ!ヤバいんだけど、
あっ、というかこれ痛くないんですか?』
カ「今は大丈夫だ。処置もしっかりされたからな。」
『....これを隠すきっかけってあったんですか?
もともと隠していたんですか?』
カ「もともとは隠してなかった。
嫌がらせやからかわれたりした。まぁ、大抵はやり返したがな。」
『正当防衛ってやつですか?』
カ「...子供の頃に起きた事件だ。
ある日ブリュレが顔にケガを負った。
原因は俺に嫌がらせをするヤツらが、俺に叶わないからと妹のブリュレに仕返しをしたんだ。」
『ブリュレさんのあの顔の傷はそれなんですね。』
カ「あぁ。もちろんやり返したが、俺の行動1つで大事な家族に迷惑がかかると思った。
だから、完璧な恐怖を与えればもうそういうことは起きない。絶対的な権力を持てば逆らうヤツはいないと。
だから俺はその日から完璧な人間を作ってきた。」