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陽の沈む夜に。

第4章 Attack of the Clones.2



「エキドナっ。」

「オビワン…。」

評議室を後にし、オビワンの部屋に戻った2人は長く感じたここ数日を埋めるように、ドアが閉まるのを待たずして駆け寄るように抱きしめあい、互いの存在を確かめるように目を閉じる。
お互いのローブがばさりとぶつかり合い、唇を重ねる2人の艶美な音だけが部屋に響いた。

パダワンが不在なことをいいことに、遠慮なく抱きしめあいキスをする2人はジェダイなんてことを忘れている様である。

「ずっとこうしていたかった。」

「私も。」

ぎゅっともう一度想いの分だけ抱きしめあうと、体を離す。
オビワンがソファに腰を掛け、隣にエキドナも腰を掛けると、オビワンはエキドナの肩に手をまわしてぎゅっと自分のほうへ彼女を寄せた。

「私、怖い。」

「どうかしたか?」

「ジェダイが本来の姿をこの戦争で失うと思うんだよね。
相当額の軍事費を、秘密裏にジェダイマスター一人が勝手に使えるわけがないし、その発注者は死んでる。」

「もともと戦争するつもりだったといいたいのか?評議会が。」

何とも言えなくなって首を振り、ほろりと涙を流すエキドナをオビワンは、包み込むように抱きしめる。
戦場へ一番に突撃し、傷一つなく帰ってくる。議員を守るためなら命を顧みない。そんな彼女の体が、微かに震えていた。

「分離主義者に裏切る人だって出てくる。」

「しかし私は一ミリも傾かないぞ。」

「オビワン…。」

彼の聞くだけで癒される丸い優しい声が、エキドナをあやす様に降りかかってくる。
そして体を少し離し、目を合わせると、オビワンの吸い込むような美しいダークブルーの目がエキドナを映す。

「誰が裏切ろうとも私は裏切らないよ。エキドナ。」

「それは分かってるけど…。」

「今はこの幸せだけを考えよう。」

エキドナが彼を好きになった一番の理由、その大きな優しさでエキドナを包み込む。
つい先ほどの絶望的状況から帰ってこれた。
だからこそ、触れ合えるこの喜びと幸せを、今のうちに深く刻み込んでいくのだ。



秘め続けた想いを、何度も紡ぎながら。






 Across the stars



 星々を渡って。

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