第6章 浮気は男の甲斐性? の巻
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わかってる
“モトカノでぇーす”
わかってるもん
“お友達?”
…わかってるってば
「…翔くんのばか」
翔くんが本気で僕のコトそんな風に思って無い事は良くわかってる
きっと元カノさんに…言いにくかったんだと思う…
僕のコト…“恋人”とかって…言うのが
僕は…女の子を好きになったコトないから…わかんないけど
翔くんは“普通”の恋愛をしてきたから…きっと、僕とのことを言うのが
…恥ずかしいんだ
「……」
大きな声で言えない関係
そんなの…ばっか
教授の時も、潤くんの時も…そうだったじゃん
「…今に始まった事じゃないんだもん…慣れてるもん///」
それでも…翔くんは…翔くんだけは違うって…
勝手に、心の中で思ってた
「…くすん……翔くんの…ばかぁ///」
涙が勝手に溢れては、抱えた膝を濡らし続けた
こんなの…きっと僕の勝手な我儘なんだ
世の中は僕らの事を爪弾きにする
翔くんの考えの方が正しいんだ
ハッキリ“俺の奥さんです”って、言って欲しかったなんて
そんなの、僕のバカな我儘なんだ
「…っく……翔くんなんて…翔くんなんて…」
………大好きだよぅ
「…ぅ……ぅえ……っく……」
なんて情けないの…こんなコトで不貞腐れて…バカみたいに泣いて…
でも…
だって…
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