第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
「あぁ〜あ、今日で休暇もお仕舞いかぁ」
俺は帰り支度をしながら、大きな溜め息を付いた
長いと思っていた休暇も、過ぎてしまえばあっと言う間で
明日からまた通常の業務に戻るべく、俺たちは自宅に戻らなければならなかった
「そうだねぇ、お休みなんて、あっと言う間だねぇ」
ボストンバッグに、これ以上小さく畳めませんってくらいにコンパクトになった服を、ノンビリ詰めながら
智くんがニコニコ笑って言った
「楽しいコトってさぁ、あっと言う間に終わっちゃうもんだよねぇ」
「そうだねぇ……って、智くん、本当に楽しかった?」
「え?何で?」
智くんは手を止めると、驚いた様に目を見開いて俺を見た
「いや、だってさほら……特別何処にも行かなかったし、またまた、色々あったし…」
「何言ってるの?翔くんてば」
智くんはふふっと笑って俺に擦り寄ると、チョコンと頭を俺の肩に乗せた
「何処にも出掛けなくたって、何が起きたって
翔くんが傍にいてくれさえすれば、僕にとってはそれが最高の休日だよ?」