第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
「……ん?」
(…何か冷たい)
朝、目が覚めると
僕は何時も通り
翔くんに後ろから羽交い締めにされるようにして抱き締められていた
何とか拘束されている腕を抜いて首を触ると、何やら濡れている
「…翔くんたら、またヨダレたらしたんだな(笑)」
僕は手を伸ばして、ベッド脇に置いてあるティッシュを一枚取った
それから振り向いて翔くんの顔を覗く
(ふふ……何か食べてる夢でも見たのかな?)
ヨダレでテカテカ光る翔くんの唇を、ティッシュでそっと拭う
と
翔くんは、くすぐった交ったのか
フニャリとニヤケると、ムギュっと僕の首筋に顔を押し付けた
「でへぇ……うなじ……智くんのうなじ…///」
「……(汗)」
ムニャムニャ寝言を言いながら、幸せそうに笑う翔くん
「ふふ……かぁわぃ///」
胸が、幸せに満ちて
じわっと熱くなる
「…うん、これだな///」
「うぅ〜………むん?」
ショボショボと目をシバ立たせて、愛しい旦那様が目を覚ました
そして、欠伸しながら僕の髪を優しく撫でて、微笑む
「ぉはよ、智くん……何見てたの?」
「んふふ、翔くんのかわいぃ寝顔♡」
「えぇ〜?寝顔が可愛いのは、智くん♪」
「翔くんの寝顔の方がかわいぃもん♪」
「智くんだってば!」
「翔くんだもん!」
「智くん!」
「翔くん!」
「さぁ〜としくん♪」
「しょお〜おくん♪」
幸せな朝
それは
僕が焦がれた風景
…愛する人の、幸せそうな笑顔
「しゃ〜とぉ〜ち♡」
「しょぉ〜おたん♡」
と
何時もの掛け合い。(笑)