第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
「………」
女の子は顔を上げると、じっと僕の顔を見詰めた
それからまた俯くと、小さな声で、ボソボソと話し始めた
「……悔しかったの……あたしの誘いを断った男なんて、初めてで……
……しかも、その人の恋人が男だったなんて……許せなかった」
「……」
僕は黙って彼女の話に耳を傾けた
「……昨日、偶然……スーパーで櫻井さんとあなたを見掛けて……
……凄く仲が良さそうで……余計に腹が立って……
……それで、別れさせてやるって……」
「…どうやって翔くんを此処に連れて来たの?」
「……セクフレを呼び出して、そいつに手伝わせたのよ」
「……せく…ふれ?(てなに??)」(←笑)
「……それで……保養所の前で待ち伏せして……
……1人で出てきたから丁度良いと思って……
……ちょっと声を掛けて、人気の無い所に誘い出して……防犯用のスタンガンで気絶させたのよ」
「で、そのせくふれさんに手伝ってもらって運んだの?ここに?」
「……そうよ……
……アイツ、あたしの体に溺れてるから、手伝わなきゃ二度とヤラセてやんないって言ったら、何でも言うこときくもの」
「……そう」
僕は、少し震えながら話す彼女の手を握った