第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
言われた住所にタクシーで駆け付けた僕は、翔くんが居るであろう、その部屋を目指してエレベーターに乗った
さっき電話で告げられた部屋の前まで行って、呼び鈴を鳴らす
すると、中から知らない女の子が顔を出した
「どうぞ?あがって?」
これ見よがしに裸の上にバスローブを纏った女の子が、僕を部屋に招き入れる
僕は黙って頭を下げると、部屋に上がった
「……ほら、アソコで寝てるわ」
「……」
そう言って、部屋の中を彼女が指差した先に
裸で、薄い掛け布団一枚を被って横になっている翔くんが居た
「散々セックスして疲れたみたい。起こしても起きないと思うわよ?」
「……」
僕は、勝ち誇ったようにそう言うその人の前を黙って横切ると、ベッドの上に腰掛けて、愛しい人の髪を撫でた
「…翔くん?」
「……」
「…翔くん、起きて?」
「……」
優しく髪を撫でながら、声を掛けてみたが、反応がない
「だから言ったでしょ?疲れて寝てるから起きない…」
「睡眠薬かなにか?」
「…え?」
「それで、眠らせたんでしょ?」
「な、何言って…」
「どうやって翔くんをここに連れてきたのか知らないけど
…あなたのしたことは犯罪だよ。」