第20章 ぷちバケーションin保養所、の巻
冷たい口調でそう言い切るその人に、僕は言った
「違う、翔くんはそんな人じゃない!」
『はっ!信じたくないのは解るけど、現実を受け入れなさいよ!彼、言ってたわよ?やっぱり女の方が良いって!
さっき、あたしを抱きながらね!!』
キイキイと、突き刺す様なその人の声
だけど僕は何故か、彼女の言葉を聞くほどに、冷静になって行った
「翔くんは、そんな風に、人を陥れる様な嘘は付かない」
『なっ…』
「僕は、翔くんを信じてる。彼はそんなコトしない
あなたを傷つける事も、僕を裏切る事も、絶対にしてない」
『……』
僕のことばを聞いて、暫く黙っていたその人が言った
『そんなに言うなら、証拠を見せてあげるわ。
今さっき、あたしと彼がやってたって事が解れば、あんただって諦めがつくでしょ?』
「……今、何処に居るんですか?」
『あたしのマンション。
住所を教えてあげるからいらっしゃいよ』
「解りました。すぐに翔くんを迎えに行きます」
『……フン』
それから僕は、その女の人から彼女のマンションの住所と部屋の番号を聞いて
急いで着替えを済ませると、宿の外に出てタクシーを拾った